前回の訪問で、 入居者の方々が皆落ち着いて生活をされていることについて、きっと何か、ケアに特別な秘密があるのではと思い、今回はそのことも含め施設長の熊谷真理子先生に伺ってみたいと思います。
※熊谷真理子先生は、介護のエキスパートとして、介護支援専門員、介護福祉士、認知症ケア専門士、認知症ケア指導者の資格をもち、多くの講習会等で後進の指導にあたっておられます。
まず伺いたいのは、入居者の方々が大変落ち着いて、穏やかに生活されている事に、多くの訪問者が私と同じような感想を持たれるということについて、特別な秘訣のようなものがあるのでしょうか?
世間では認知症と言うと、何か、それだけでとても、大変なもののように考え、ユマニチュードを扱った番組では、看護師さんに暴力を振るう認知症の患者さんが、ユマニチュードの手法を使うととても穏やかになられる様子が放映されていましたが、偕老ホームでは、そのような特別な手法を取るまでもなく、利用者の皆さんが穏やかに生活されているのは、びっくりさせられます。
当たり前の事ですが、入居者の方々について、深く知り、その方にあったケアしているからということでしょうか
具体的にはどのようなケアになりますか?
まず、入居者の方々を深く知る為に、しっかりとしたアセスメントをすることが大切です。その方の生活経験や環境、特にその方が大切にされている事など多くの要素について、調べることが必要ですね、それらの要素を分類し、分析をする事でしょうか?
それは、先生が講習会で言われていたICFの考え方ですね
そうですね、ただ、ここではICFという言葉の説明は一般の読者の方には意味が余り無いので、ここでは、ICFの役割についてだけを一言すれば、ICFという分類にしたがって、アセスメントの結果を各々の項目に分けていくことによって、その人のこれからの人生を良いものにする上での問題点が客観的に見えてくるということでしょう
そのようなアセスメントにしたがって、介護計画が作成されると言うことですね。
ところで、 個別の入居者の方についての詳細なケアについてお話していただくのは、プライバシーの問題もあるので、一般的な、認知症に対するケアについて伺って行きたいと思います。
認知症にはいくつかの分類があるようですね、種類によって、ケアの仕方も異なったものになるのですか?
当然ですね、病気でも症状が違えば、処方もちがいますよね、ケアの場合も、症状にあったケアの仕方をしなげれば、大変な事になります。
私が、事前に調べたところ、大きく分類する、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、慢性硬膜下血腫などがあるようですが、まずは、アルツハイマー型認知症のケアについて伺いたいと思います。
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